自衛隊ハ発砲セズ-前編 【国防】

他人(ひと)の空
これ見よがしの 飛翔体
弾散る剣 いつぞ鳴らんや


どうも皆さん、さんそんです。

今回から記事のテーマに関して冒頭に一句入れてみることにしました。

素人の歌ですがよろしくお願いします(笑)


さて。

本日午前9時31分、北朝鮮は「人工衛星」と称する事実上の長距離弾道ミサイルを発射、沖縄県上空を通過しました。

日本政府はこのミサイルに対して「破壊措置命令」を出していましたが、分離した部品やミサイル本体が日本国内に落下する恐れが無いと判断されたため、那覇や宮古島に配備された地対空誘導弾「ペトリオットPAC-3」が発射されることはありませんでした。

今回は日本のミサイル防衛に関して

前編:北朝鮮の自称「人工衛星の打ち上げ」が「弾道ミサイルの発射実験」とされる理由

後編:日本のミサイル防衛(BMD)の解説と現状

に分けてブログを書いていきます。


今回に限らず、北朝鮮の事実上の弾道ミサイルの発射実験に対してよく聞く左派界隈の意見として

「なぜ人工衛星を載せたロケットを撃ち落とそうとするのか」
「北朝鮮が人工衛星だって言ってるのになんで”事実上のミサイル”と決めつけるのか」

というものが散見されます。


皆さんも、なぜ日本や米国などが”事実上の弾道ミサイル”と決めつけるのか不思議ではありませんか?


実は

「人工衛星の打ち上げ実験」と「弾道ミサイルの発射実験」は技術的に全く同じ

なのです。

目的が何であるかという点で使い分けてるだけに過ぎません。

事実、アメリカの人工衛星打ち上げロケットである「ミノタウロス」シリーズは大陸間弾道ミサイル「ミニットマン」や「ピースキーパー」の転用です。

何かに例えますと…「ポテンヒットとテキサスヒット」と考えてもらえたら…野球に興味のある人しかわからないですね(笑)

ある意味、「はやぶさ2」を打ち上げた日本のH-ⅡAロケットも技術的には弾道ミサイルの発射と同じと言えます。


ちなみに、「ロケット」と「ミサイル」の違いが分からないという声をよく聞くのですが、
・ロケットは推進方法
・ミサイルは武器の種類
ということです。

ミサイルとは、「誘導装置と推進装置を持った兵器」と考えてください。無人の神風特別攻撃隊と考えてもらうと分かりやすいでしょうか。
なので、同じロケット推進であっても、誘導装置のないものは「ロケット弾」という兵器に分類されます。



逆に、誘導装置はあつが推進装置が無いものとして「誘導爆弾」という兵器があり、これらと種類を区別するのが「ミサイル」という名称な訳です。

ハナシを戻しましょう。

先に人工衛星の打ち上げと弾道ミサイルの発射実験は技術的に同じと述べてきました。

では…

なぜ、北朝鮮のものは”弾道ミサイル”とされ、各国から非難されるのか

なぜ、他国の人工衛星打ち上げは”弾道ミサイルの発射実験”と非難されないのか

というのを考えていきましょう。






理由としては

開発及び実験を行っている組織が軍事組織であるのか、そして、その情報が公開されているかどうか

という点が挙げられます。


「人工衛星の打ち上げと弾道ミサイルの発射の技術が同じ」で例に出した日本とアメリカでまず考えてみましょう。


御存知の通り、日本にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)が、アメリカにはNASA(アメリカ航空宇宙局)という組織があります。

これらは純粋な軍事組織ではなく、特にJAXAに関しては完全な宇宙開発に関する機構です。

そして、これらの組織は事業内容を全世界に公開しています。勿論、企業秘密のようなものはありますが、様々な国のロケットや人工衛星の運用に対して協力体制を敷いており、得られた研究成果は世界で共有しようというスタンスです。

先日地球へ帰還した油井亀美也さんが滞在した国際宇宙ステーションが良い例だと思います。


ちなみに、日本のロケットの開発・利用には色々と制限が課せられています。また、打ち上げに際しては周辺地域や近隣諸国へ影響のないコースを選択し、その情報も公開されています。


一方、北朝鮮はどうでしょうか。

まず、情報など全く公開されておらず、他国の宇宙開発との協力や研究成果の共有といった意志は示されていません。日本とは大違いですね(笑)


そして、軍事組織がガッツリ関与しています。


恐らく、今回発射されたものは前回の「銀河3号」と呼ばれるものの改良型が発射されたと考えられます。この「銀河3号」と呼ばれるものは、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル「テポドン2号」の派生・改良型であると考えられています。


北朝鮮が開発・製造するロケットは、北朝鮮の弾道ミサイル・核開発計画と表裏一体の存在であるとするのが国際社会の認識であり、国連安保理決議1718及び1874によって、北朝鮮はロケットを発射しないよう強く要求されています。

これが北朝鮮の打ち上げが事実上の弾道ミサイルの発射実験と呼ばれる所以であると私は考えています。


なぜ、北朝鮮の「人工衛星の打ち上げ」が「事実上の弾道ミサイルの発射実験」と言われるのか、お分かり頂けたでしょうか。


こういう事に関して、北朝鮮を擁護したり、安倍の陰謀だとか言ったり、そもそも北朝鮮は脅威じゃないとか言ったりしている人がいつも居るのですが、2番目はネタとしても、1つ目と3つ目は割りとガチで言ってる人が居てビックリするんですよね(^_^;)


そもそも、今回発射されたものが本当に人工衛星であろうがなかろうが、安保理決議違反であることは事実ですので、北朝鮮の今回の発射を擁護すること自体がまず可笑しいんですけどね(笑)

北朝鮮を擁護している人や「北朝鮮は脅威じゃない」と主張する人たちは、まずこういった事実が理解できていないのではと感じています。


皆さんには事実をしっかり見た後に意見の醸成を図っていただきたいと思います。


次回は、今回の件や過去の事例から「日本のミサイル防衛(BMD)の解説と現状」を皆さんと考えていきたいと思います。


政治家志望ランキングに参加しています!
下のボタンをぽちっとしていただけると更新の励みになりますヽ(;c;ヽ)

さんそんが ユく

鯉と政治を喋り倒す 若輩者の戯言の河

0コメント

  • 1000 / 1000